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楠田=迅 「オレが楠田役ってことは?」それ以上考えたら負けだ。JPG.

つうわけで。楠田くん好き。なんかぶっちゃいく系もおかげさまで好きなんです。
思わず迅たんと並べちゃうんだよなぁ。なんとなく。

で。昨日滞った小話、今日はまとめていこう。
それなら連載してる方を仕上げろって感じだけど。ごめん、長いの書くだけの気合が今0なのねorz
まぁ許して。

島迅はちょこっとってところでボツっていたけどあげちゃう、うふ。

続きからどぞ。






もともとどうして。

どちらかといえば、平和でこれといった争い事も起きないこの地で。
兵役のようなものがあり、兵器もあり、中央を守るように。

守護部隊が存在しているのかを。

その意義を覚えている人の方が昨今少なくなってしまっている。


もちろん、時代の流れのせいでもあろう。

 

ただ。

 

   必要だから、そこにある。

 

 

一個大隊を預かる者が言った言葉は、重く、そして何よりも正しいのは確かだ。

 

 

 

「それでは、真柴迅一等兵。今日より桐青守護部隊、特殊獣猛兵団第3部隊小隊へ配属を命ずる」
和己が重々しく辞令を発する。
「はい!」
幾ばくも無く緊張気味の声が返ってくる。
和己は「初々しいなぁ」と内心思いながら、
「そんな緊張しなくて大丈夫だよ」
と優しく声をかけた。
「はい!」と。まだ直立不動で答える迅に近づいて、肩に軽く手を置いて微笑む。
「まぁこれといって難しい事はない。俺達の仕事はあくまでも、この中央を護ることだ」

何からですか? 自身の中からの問いかけ。

そう訊いてこられても、困るけどね。
少なくとも、塀の外には砂漠に生息する危険な生物が人も含めて存在してる。
それから各村や町を巡っている商人などを護るってのもあるけど。


一番護らないといけないのは……。


コンコン!


和己がちょっとだけ考え事してるとドアをノックする音。

「あぁ、お迎えが来たようだ」

どうぞという声に促されるより数秒早く、待ちきれないと言わんばかりにドアが開いていた。

「失礼します」

かっちりと形式ばったお辞儀をして入ってくる相手に、半ば呆れた視線を投げかける和己。

「あー。ごほん」
なんとなく咳払いして自分の気を引き締めなおして。
「真柴一等兵」
「はい」
「君の直接の上司になる……」

迅が振り返って、今までのとは違った固まり方をするのを見て和己は内心ため息。

びしっと、所定の敬礼をきっちりとして。
背筋もびしりと正した彼は、自分の男前さを解っていて普段は行動する。

もっとも。

彼の違う一面に遭遇した人は、その外面だけで受け止めるという事は少ないのだが。

「特殊獣猛兵団第3部隊小隊長を務める、島崎慎吾中尉だ。これからもよろしくな、迅」
「………」
「じーん。返事は?」
「…えと、はい」
強制的な返事要求に屈した迅のか細い声を無視して、慎吾が「嬉しいだろ~」と言いながら、迅の頭をわしわしと撫で回した。少しだけ緩和した迅の態度に和己がホッとする。
「というわけだから。後は慎吾に案内してもらえ。迅が自分の所に来ないんだったら、基地内で暴れてやるって脅しやがってさ」
「だぁって~~~」
「おまえがかわい子ぶってもキモいだけだ。阿呆」
「え~~~。俺と和己の仲じゃない」
「公私はちゃんとけじめをつけないといけないぞ、慎吾」
「いけず~~」
そんなやり取りを見ていた迅は、思わずふっと笑みをこぼした。
「あー迅が笑った」
「ん」
「いえ! あのその」
迅は両手を突き出して振ると、「違うんです」と弁解をした。
「お二人とも、仲が良いなぁって。羨ましいっていうか、その」

まだ来たばかりの迅には、ここまで気さくに話せる相手がまだいないから。
利央とは仲良くなれそうだけど、まだそんなに喋ってもいないし。

和己は慎吾に促す。
慎吾も軽く頷いて返す。
「迅。基地内案内するから、一緒に行こう」
「はい」
「では、河合大尉。真柴一等兵謹んでお預かりいたします」
「よろしく頼む。島崎中尉」
お互い敬礼しあって。迅も慌ててそれに習って。
慎吾と一緒に出て行く。部屋を出る間際も慎吾が迅にちょっかいをかけているのを呆れながら見送る。


「……運命の出逢いね」


自分も準太や利央に出会えた。
慎吾やヤマチャン、他の皆にも出会えた。


自分の中でくすぶる何かを感じ取る。
頭を振ってそれを奥の方に覆い隠す。

「慎吾。幸せは自分の手で掴みとらないと、ダメなんだぜ」

左手を開く。

親指の付け根から斜め下に向かって、掌を横断するように残る傷跡。


泣き叫ぶ妹の声が、耳の奥の方でこだまする。


ぐっと奥歯をかみ締める和己。


人は何を受け入れて、何を抗いながら生きていけばいいのだろう?

 

慎吾は答えを出せるのだろうか?

和己にもいまだ、自分の答えが解らないというのに。

 


左手をギュッと握り締める。

この手で護れるもの、掴めるもの。

 

 

 

 

 


そしてその腕に抱きしめる者が涙にくれないように……。

そういう生き方をしてみたい。


和己の想いを知っている者はきっと。
傍にいて、誰よりも遠くを見つめるそんな存在。

 

 


「お前のその甘さとおせっかいさが。自身と大事なものの命取りになるぜ」

 

 

彼の言った言葉を思い出して。

 


「先輩だって、十分人の事言えないくせにな」


背を向け合っていたのに、今では向かい合うあの人達と。

自分は一番近い存在なのかもしれない。

 

ドタドタと。
ドアの前まで続いてきた大きな足音に、和己はふっと笑みを浮かべてドアが開くのを待つ。

ドアが開いて、言い争いをしながらなだれ込んでくるだろう愛しい者達を。


俺は護れる事が出来るんだろうか?

 


答えはきっと、見つけ出してみせる……。

 

 

 

 

早春の暁明やらんや いまだ闇夜の狭間にありて
微かなる光瞬きし 空を見やるれば

目覚めしそは白き瞬き
伏せるは我が黒き御心なり

 

『 Tanka principios de la primavera 』


この季節に、短い歌を君に捧げよう。

 

2008.05.02
    しゅりんか

 

あとがき

ボツだと思うんだけど。書く元気がいろいろと今ないので生かすことに。
なぜボツかといえば、島迅週間なのにラブくない、あまり出ていなかったからです。
でも和さんのターンでみれば、これはおいしいお話になったので。


読んで下さってありがとうです。
拍手あざっした。

 

 

 


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