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「どうしたら、背が伸びますか? やっぱそれのお蔭っすかね?」
「あん?」
昼休みも終わり頃、すでに昼食は食べ終わったけど、まだなんか喉が渇くから自販機で買ったパックの牛乳を、ほとんど教室に戻ったんだろうか人通りも途絶えたその場で飲んでいたら、迅が通りかかっていきなりそう訊かれた。
「……どうかな。あんまり気にした事ないし」
「そっすか」
「でもまぁ、牛乳に相談はいいんじゃねーの?」
俺は好きだし。乳製品全般。
「つうか、まだこれからばんばん伸びるだろ、迅だってさ」
俺がそう言いながら肩を叩くと、「そうだといいっすけど」と苦笑された。
「……どうかした?」
先輩に相談でもしてみる?
そう言って顔を覗き込むと真っ赤になるから。
余計俺の頭に疑問符が浮かぶ。

「……この視線差が」
「視線?」
「なんか微妙だから」
「??」
どこがどう微妙なんだ?
確か春の健康診断で俺は180センチ、迅は利央と言い合っていたのを聴いた時は171センチだったっけか。
利央なんて俺より6センチも高いくせにまだ伸びそうだしなぁ。つうか……、
「9センチの視線差が、気になるの?」
そう言ってもう一度迅の顔を見ると。
グッと一瞬唇を真一文字に結んで、そっと横に視線を流す迅。
なんだぁ?
俺が首を傾げると。

本当に思いもよらずに。
一瞬両肩をがっしりと迅の両手が掴んできて。
ぐいっと引っ張られてよろけると。
目の前に迅の真っ赤な顔。
「……えっ?」
「なんか、こういう事出来そうで、難しそうな差が。オレにはなんか、辛いっす」

パッと手が離れて。同時に迅との距離も離れる。
「すんませんでした!!」
頭を深々と下げたと思ったら、猛然と走り去る後輩に。

呆然と見送るしかなかった。

「なんだ? 今の」
そう呟きながら牛乳を口にする。
あぁでも。
これ以上背が伸びると。

「……差がつくのは、嫌かもしんねぇ」

しばらくは牛乳はなるだけ飲まないようにしようかな?

どうしてそう思ったんだろうか?

……きっと。
あの真っ直ぐな視線をくれる後輩が背も何もかも追いついてくるのを、待ってみたいと思っている自分が心の奥で薄っすらと微笑んでいるからだな、うん。




軽くはじまる本迅本。もう一つ書きたいネタは明日書ければ。

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