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ども、こんばんわ。
健康診断は増えた体重、削れた身長に納得いかない、しゅりんかです!
他は血圧が来て早々品分け作業して身体が暖まってからやったせいか、いつもより健康的でしたよ。
血抜きの時はそっぽ向きました。いい歳こいて何やってんだか。
疲労の蓄積をそのままにすると脳内出血で逝けるというのを某番組で観て、痛そうだけどその後は楽そうだ、いいな。と思っちゃう辺り、自身かなり疲労蓄積率高めっぽいなぁと思います。
精神疲労と眼精疲労(?)でいけれますか?
後ろ向きになりたい時だって、人間ありますよ。(´▽`*)アハハ
それはまぁ脇に置いといて。
穴埋め的にユニコ準太の3話目を上げておきます。
あくまで穴埋め程度です。ごめんなさい。
いつも読んで下さってありがと~☆
拍手感謝です。
『 Azul para siempre 』
Act.3
「あれ? 何でここも出ないんだよ!?」
準太が2階の手洗い場で蛇口を捻っても、5つある全ての蛇口から水が出ることがなかった。
というか。
すでに上から4階、3階も試してきて2階まで来ても、やっぱり蛇口から水が出ない。
断水?
ふざけやがって!
そうとなれば。
キョロリと辺りを伺う。だーれもいませんね?
なら遠慮なく呼び出しちまえばいいんだよな。
ニヤリと微笑むと、水の精霊であるウィンディーネを呼ぶべく両手を数センチ離した感覚で、その掌の中心に力を注ぎ込もうとした……とたん。
ガラリと男子トイレのドアが開き、中からのそりと現れた長身の男の子。
準太は人の集中を破ってくれた野郎の顔をギロリと睨み付ける。
睨まれた方は一瞬たじろいだが、何も感じないのかすぐヘラリと笑って言った。
「なんかー、今水出ないみたいだよ?」
「……で?」
「だからね、トイレ流せないの」
「……で??」
「……入らない方がいいかもーって思っただけ」
「つうか、おまえ今出てきたじゃねーか」
「小だから大丈夫?」
「そういう問題かよ」
ニヘラと笑ったその顔に。
準太はどっかであった気がしてならなかった。
でもここんところ、地上界に降りたのは和己の仕事で数回だけだ。
うーんと準太が悩み始めると、傍らの男の子はくんっと鼻をならした。
「なんか、甘い香りがするよ」
「……あーこれか?」
準太がコーラに汚れた手を差し出した。
男の子は素直にその手に鼻を近づける。
「あー本当だ。コーラの匂いがする~」
ペロリ!
準太がびっくりして手を引っ込めた。
「な! 何舐めてんだよ?」
まだ舌先を出したままの男の子は「あー」と間延びした声を出すと一言。
「おいしそうだったから?」
「阿呆か? おまえ」
キョトンとした後、ちょっとだけ口を尖らせて「ひどいよ~」と拗ねてみせた。
……無駄にかわいい奴。
準太はぷっと吹き出した。
なんか懐かしい……。
?
なんだろう、これは……。
「そんなことないよ~。これでも僕は相手をちゃんと選んでるんだから」
「え?」
準太は今一瞬頭の中をよぎった映像に気を取られる。
白いマントに白い翼。そして耳元から白い羽がやはり黒い髪を映えさせている自身と。
黄金の髪をふわりとなびかせて。
翠の瞳でいつだって自分だけを見つめてくれている。
背中に自分より小さい翼を持つ彼。
そしてそんな背中には矢筒と、肩には黄金の弓を持って。
彼は優しく屈託なく、よく笑った。
「ずっと一緒にいようね~。 様」
ずきん!
「いってーーー」
準太が頭に手を当ててしゃがみこむと、傍の彼は慌てて跪いて覗き込んでくる。
「だ、大丈夫?」
「あー。うん」
まだズキンと走る痛みに耐えながら、準太は思ったより大きくてしっかりした彼の手に自身の手を重ねた。
あー汚れてる手で触っちまった。
「すまない。手」
「気にしないで。オレもその、洗ってないし」
一瞬の間。
……準太はそういえばこいつ、さっき水のでないトイレから出て来たっけと思い至った。
「それより顔色悪いよ? 保健室行く?」
「いや、休めば大丈夫……?」
キン!
空気をはじくような音が響いた。
準太がそう思ったときには。
紫色の光が辺りを覆い始める。
「結界?」
慎吾さんか?
いや、この波動は違うみたいだ。
でもなんでこんなもの、張ってるんだろう?
「なに? なんか学校の気配が変わったよ?」
「おまえ? 分かるのか?」
「何が?」
きょとんと準太を見下ろしているその顔には、今の状況を理解してる節は一つも感じられない。でもこいつが結界を感じ取っているのは間違いなさそうだ。
頭の痛みも引いてきたので、準太はよろりと立ち上がる。
「大丈夫? 無理しないで」
彼はそういうと、当たり前のように準太を脇から支えるように手を肩と腰に伸ばしてきた。
……この温かい手を、俺は知っている?
準太は息をつくと、彼に尋ねた。
「おまえ、名前なんだ?」
「ん? あーまだ言ってなかったっけ?」
準太より数センチ上から柔らかい微笑を湛えながら彼が言った。
「僕は利央。仲沢利央だよ、高瀬先輩」
「リオー……」
どこかで聴いたことあるような名前。
どこか歪な形の花輪。
それでもその子が一生懸命作ってくれたものだから。
風にそよぐ草の音。
一緒に流れる自身の白いたてがみと尾を。
そして、綿毛のようなポワポワの金の髪をそよがせている少女。
「きれいなお馬ちゃんね」
そういって座り込んだ自身の首を優しく小さい手で撫でてくれる。
翠色の瞳がキラキラしていて、きれいだなと思った。
まだこの時代にも、こんな心清らかな存在がいたなんて。
ある意味感動ものだったんだ。
昨今、自分の姿を認識してくれる人間なんて、逢った事もなかったから。
すでに神話の時代に忘れ去られてしまった存在と、いつ星座になっても構わない存在なんだと思っていたんだ(いや、実際にすでに星座はあるんだけど、ね)。
和さんが、慎吾さんがいたから。
まだ、まだ消えずに残っていられると想っていた……。
覗き込んでくる利央の顔を見上げていて……。
準太は心の中にわさわさと持ち上がってきたものに、次第に眉間に皺を寄せ始める。
!?
なんだろうか?
なんで俺は、こいつに心惹かれている?
「……先輩?」
利央も不思議そうに準太の顔を覗き込んだまま動きを止めている。
「りおーは、お馬ちゃんのこと、大好き」
……そういえば。
あの子、自分の事、りおーって言ってたっけ。
!?
!!!!!!
「おまえ!! あの時の~~~~~??!!」
準太の叫びを耳元で聞いた利央は、「ひぃぃぃ!?」とやはり雄叫びをもって返すのであった。
2008.03.11
しゅりんか
あとがき
やっと1話目の冒頭が繋がりました。
まぁ最初っからわかりやすかったよね? ね??
島迅なしで、利準利?
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