２００７大晦日☆島迅

今年も残りわずかとなりました。
最後まで仕事で終わったけど。
今年は、おお振りに出会えたり出来たので、すごく幸せだったかも。まぁ実生活はいろいろあったんだけどね。
でもまぁ、このようなサイトも作れたし、感慨深い１年でありましたですよ。

つたない文章やイラストだけど、他の人にも見てもらいたいなぁで作ったサイトです。

見てくださる皆様、ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。

短い時間に、紅白観ながらだらーと書いた島迅をここに一先ずさらします。
良かったら読んであげてくださいませ。

ではまたね。

 

 

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今年も終わろうとしているけど。

それはまた、新たなハジマリの徴（しるし）だから。

 

 

待ち合わせのコンビニに時間通りに行くと、すでに慎吾さんは来ていた。
謝ろうとするオレの口に軽く指先を当てて、「俺のが先に来ただけだし。迅は悪くないだろ？」とウインク。

どうしてこの人はこういう事がサマになるのだろう？

たぶん、オレがやっても両目つぶっちゃって、笑われて終わるだろうな。

……二つの歳の差は関係なくて。

慎吾さん自身が、格好良いのだろうな。

「寒いし、なんかあったかい物でも取りながら、行くか？」
「あ、そうですね。じゃあ、お茶買おうかな」
「ＯＫ。……あー、俺にも半分わけてくれる？」
「構いませんけど、自分の買わないんですか？」
「んー？　あーまぁ、後で」

？

なんだ、その曖昧な答え？

慎吾さんがこれでいい？　ってお茶を取り出してレジにさっさと並んでしまった。

冷え込む外に出てお茶代を払おうとすると、「いいよ、半分もらうし」って微笑んでくれた。
そして神社に向かって歩き出す。

大晦日に野球部の皆で初詣行こうって利央が言い出した。
準さんやタケさんはＯＫがすぐ出た。問題は受験で忙しい先輩達がつかまるかだった。
「慎吾さんはすぐ確認とれるよね～」と利央は気楽に言ってくれた。

そりゃね。

ほとんど毎日携帯で話すか、メールか連絡取り合ってますけどね。
慎吾さん頭いいから、すでに推薦で大学決まっちゃってるしね。

オレもホッとしているんだけどさ。

……自分の時が怖いけど。

まぁそれはおいといて。

準さんが和さんに、タケさんが山さんに、利央がマサさん前さん本さんに（言いだしっぺだから多いのは当然だと、準さんが言い放った）連絡を分担したわけで。

当然のようにオレは慎吾さんに連絡して。
あっさり了承を得た。

他の先輩方も気分転換と、合格祈願で行く事になって。
久しぶりに集まれるのが嬉しい。

で、ちょっと早めに逢おうよって慎吾さんが言ってくれて。
今にいたってます。

 

「やっぱ年の瀬はさみーな」
「そうっすね」
二人ではぁーって吐き出した息が白くなるのを見て笑いあった。

なんとなく、距離が近づいて。
なんとなく、腕がぶつかって。

……。

お茶でも飲もう。
まだあったかいペットボトルを開けて、一口飲んだ。

あったかい。

「ちょうだい？」
「あ、どぞ」
蓋を握ったまま、慎吾さんに渡す。
「サンキュ」と受け取って飲む慎吾さんを見て。

あ、関節キスだなぁ。

そう思った。

そして。

前だったらすごく恥ずかしくなったのに、今は当たり前のようになってる自分の変化に、ちょっと驚いた。

こういうの。
ちょっと嬉しいかもしれない。

フッと微笑んだら、慎吾さんが「どうした？」って聞いていたから、「なんでもないです」って答えてた。

ちょっとムッとした慎吾さんが、オレの首を羽交い絞めにして「白状しないと、ここでキスするぞ」って脅してきた。

……前だったら、真っ赤になってあせっただろう。

でも今のオレには。

「いいですよ？」
って答えていた。

ちょっとキョトンとした顔の慎吾さん。
かわいいかもしれない。

「……しないんですか？」

ついそう言って。
オレの方から、軽く慎吾さんの唇をついばんでみた。

あ、でもここで限界。

オレは真っ赤になって、ちょっと慎吾さんから離れようとしたら。
ギュッと腕をつかまれて、引き戻された。

いくら深夜０時近くとはいえ、大晦日。
初詣しようって人はさっきから、ちらほら見えないこともないのに。
オレってば、何やっちゃったんだろう。
そして、慎吾さんに抱きすくめられて、余計窮地に陥ってる気がしなくもない。

いや、別に気にしてないというか。

やっぱおかしい。

今日のオレ、変だ。

「……じーーん」
「なんですか、慎吾さん」
「……もう、迅てば」

耳元で慎吾さんが囁いた。

「ずっと、そばにいてくれよな」

いつもの慎吾さんのあったかい声。
すっと、オレの心の中を満たしてくれる。

今日で記念すべき今年が去ろうとしてるからかな？
なんか、いつもより素直に、なれる。

「ずっとずっと、一緒にいてくださいね」

オレは自然とそう返していた……。

 

ギュッと強く抱きしめられて、ちょっと苦しいけど、これが幸せの温もりだって解ってるから。
オレはお返しにギュッと抱きしめ返した。

冷たくなった唇どうしを重ねて、少しずつ熱を帯びてくるのを確認しあう。

離れがたくなるけど……。
待たせてしまってるかもしれない人達がいるから。
お茶を二人で変わりばんこに飲んで。

今は一先ず、手と手の熱だけを離さないようにしながら。

ダッシュしだす。

 

そんな中、チラッとだけ　Snowflake　。

 

ついこの前の聖夜にも煌めいていた白い結晶が。
また、二人を導くように煌めいて。

Le blanc de blanc de la neige a venir ce soir,
Faites un voeu sur ton baiser

 

『　Thanksgiving cette annee　』

 

今年に感謝のキスを捧げよう。

そして、未来へ！

２００７．１２．３１
　　　　　　　しゅりんか

あとがき

お付き合いくださいましてありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。

ＢＧＭ：ＢｏＡ「メリクリ」